『資本論』エッセンス
『資本論』エッセンス 全三巻徹底読解Ⅰ 目次
全三巻序 全三巻を読むことの意味
第1章 資本主義経済の全体像の認識/第2章 未完の『資本論』──発展するマルクスの論理/第3章 『資本論』全三巻の概要
第1巻 「資本の生産過程」
第1篇 資本とは何か
第1章 商品/第2章 価値形態と交換価値/第3章 貨幣と商品流通/第4章 資本
第2篇 資本・賃労働の基本的関係
第1章 資本の社会的存立根拠/第2章 絶対的剰余価値の生産(労働日)/第3章 相対的剰余価値の生産/第4章 労働賃金
第3篇 資本の蓄積過程
第1章 単純再生産・拡大再生産/第2章 資本の蓄積法則/第3章 資本の本源的蓄積(第24章、第25章)
第2巻 「資本の流通過程」
序篇 第2巻の成立事情
第1章 『経済学批判要綱』(1857~58年)の「資本の流通過程」/第2章 第2巻成立まで/第3章 第2巻の構成・主要課題
第1篇 資本の循環形式(第1篇)
第1章 貨幣資本の循環/第2章 生産資本(PK)の循環(第5稿)/第3章 商品資本(W’K)の循環/第4章 循環過程の3図式/第5章 流通期間(Umlaufszeit)、流通費
第2篇 資本の回転(第2巻第2篇)
第1章 資本の回転、回転期間/第2章 固定資本(Fixes Kapital)と流動資本(Zirklierendes Kapital)(第8章~第11章)
第3章 資本の回転と投下資本量・可変資本の回転・剰余価値の流通
第3篇 社会的総資本の再生産と流通
第1章 研究対象〔第18章(第2稿)、第19章(第8稿)〕/第2章 単純再生産(第20章、第2稿・第8稿)/第3章 蓄積と拡大再生産(第21章)
『資本論』エッセンス全三巻徹底読解Ⅱ 目次
第3巻 「資本主義的生産の総過程」
序篇 第3巻の内容構成・成立事情
第1章 『資本論』第3巻の内容構成/第2章 「経済学批判体系プラン」の変遷/第3章 第3巻草稿以前の第3巻に関わる叙述
第1篇 剰余価値率の利潤率への転化
第1章 産業資本の利潤率(第1篇第1章、第2章)/第2章 剰余価値率と利潤率の関係(第3章、第4章)/第3章 利潤率変動をもたらす諸要因 (第5章、 第6章)
第2篇 利潤の平均利潤への転化
第1章 一般的利潤率の形成──価値と生産価格/第2章 市場価値と超過利潤
第3篇 利潤率の傾向的低下の法則
第1章 利潤率の傾向的低下の法則(第13章、第14章)/第2章 「この法則の内的時矛盾の展開」(第15章)
第4篇 商業資本(商品取引資本・貨幣取引資本)と商業利潤
第1章 商業資本(商品取引資本)の独立化とその機能(第16章)/第2章 商業資本の利潤の根拠(第17章)と回転の特徴(第18章)/第3章 貨幣取引資本 Geldhandlungskapital/第4章 商人資本に関する歴史的事実(第20章)
第5篇 利子生み資本と信用
第21章 利子生み資本/第22章 利潤の分割。利子率。利子率の「自然な」率(草稿「自然的利子率」)/第23章 利子と企業者利得/第24章 資本関係の外面化/第25章 信用と架空資本(fiktives Kapital)/第26章 貨幣資本の蓄積──それが利子率に及ぼす影響/第27章 資本主義的生産における信用の役割/第28章 流通手段と資本 トゥックとフラートンの見解/第29章 銀行資本の諸成分/第30章 貨幣資本と現実資本Ⅰ/第31章 貨幣資本と現実資本Ⅱ/第32章 貨幣資本と現実資本Ⅲ/第33章 信用制度の下での流通手段/第34章 通貨主義と1844年のイギリスの銀行立法/第35章 貴金属(Edelmetall)と為替相場/第36章 資本主義以前
第6篇 超過利潤の地代への転化
第37章 諸論 Einleitendes/第38章 差額地代 総論/第39章 差額地代第Ⅰ形態(DRⅠ)/第40章 差額地代第Ⅱ形態(DRⅡ)/第41章 DRⅡ―第1の場合 生産価格が不変の場合/第42章 DRⅡ―第2の場合 生産価格が低下する場合/第43章 DRⅡ―第3の場合 生産価格が上昇する場合 結論/第44章 最劣等地でも生じる差額地代/第45章 絶対地代/第46章 建築地地代 鉱山地代 土地価格/第47章 資本主義的地代の形成
第7篇 諸収入とそれらの源泉
第48章 「三位一体の定式」/第49章 生産過程の分析のために/第50章 競争の外観/第51章 分配関係と生産関係/第52章 諸階級
【補論】唯物史観から『資本論』 へ
- 著者
- 鎌倉孝夫 著
- 出版年月
- 2020年11月20日
- ISBN
- 978-4-7888-0746-4
- 販売価格
- 12,000円+税
- サイズ
- A5
- 製本
- 上製 函 2冊セット
- 頁数
- Ⅰ480ページ Ⅱ400ページ
- 備考
-
鎌倉孝夫氏による『資本論』研究の集大成。世界最高水準の経済学をこの本から知ることができる。マルクスも宇野弘蔵も論理的展開を十分にできなかった株式についても擬制資本という概念によって見事に解明している。補論では、唯物史観から『資本論』へのマルクスの思想の変遷についてていねいに論じている。資本自らが所有するだけで利得を生むという資本の理念が、フィクション(擬制)としてしか成立し得ないことがよくわかる。本書を読むと資本主義を脱構築する道筋も見えてくる。 佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
著者紹介
鎌倉孝夫(かまくら・たかお)
1934年2月、東京生まれ。1956年3月、埼玉大学文理学部卒業。1961年3月、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士(東京大学) 。1961年4月~1999年3月埼玉大学助手、講師、助教授、教授、経済学部長を歴任。
2000年4月~2006年3月、東日本国際大学学長。現在、埼玉大学名誉教授、東日本国際大学名誉教授。
主な著作
『資本論体系の方法』日本評論社、1970年。『資本論とマルクス主義』河出書房新社、1971年。『経済学方法論序説』弘文堂、1974年。『日本帝国主義と資本輸出』現代評論社、1976年。『経済学説と現代』現代評論社、1979年。『日本帝国主義と軍需産業』ありえす書房、1979年。『スタグフレーション』河出書房新社、1981年。『現代社会とマルクス』河出書房新社、1984年。『国鉄改革を撃つ』緑風出版、1986年。『教育と国家』(Ⅰ・Ⅱ)緑風出版、1987、88年。『国家論のプロブレマティク』社会評論社、1990年。『信用理論の形成と展開』有斐閣、1990年。『働くものの経済学 「労働」と「生活」の主体となるために』労働大学、1996年。『世界経済危機の構造』長周新聞社、1998年。『究極の“擬制”経済 世界金融恐慌の危機』長周新聞社、1999年。『経済危機・その根源 現代金融帝国主義』新読書社、2001年。『株価至上主義経済 そのもとで人間社会はどうなるか』御茶の水書房、2005年。『国家論の科学』時潮社、2008年。『“擬制”経済下の人間・人間関係の破壊 それをいかに克服するか』長周新聞社、2008年。『「資本論」で読む金融・経済危機 オバマ版ニューディールのゆくえ』時潮社、2009年。『朝鮮半島 戦争の危機を読む 朝鮮を知り平和を創る』白峰社、2010年。『資本主義の国家破綻 その下での戦争の危機』長周新聞社、2011年。『「資本論」を超える資本論 危機・理論・主体』(編著)社会評論社、2014年。『帝国主義支配を平和だという倒錯』社会評論社、2015年。『トランプ政権で進む戦争の危機 新自由主義の世界的破綻・その解決はいかに』長周新聞社、2017年。『新自由主義の展開と破綻―『資本論』による分析と実践課題』(編著)社会評論社、2018年。
書評の紹介
長周新聞 第8589号 2020年12月9日 書評掲載
毎日新聞 今週の本棚にて書評掲載されました。2021年1月16日
週刊金曜日 きんようぶんかのコラムにて書評紹介されました。2021年2月12日発行 1316号