ゆたかなくらし2024年9月号
「認知症があってもなくても尊厳と希望を持って生きられる社会を」
かつて、認知症の人は“わけのわからなくなった人”と決めつけられ、支援する施策皆無のなかで、そのケアは家族の献身に押し付けられていました。
しかし、認知症の人と家族の会を先頭に当事者の悲痛な叫びと運動が国を動かし、今年1月1日には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、当事者の参画のもとで国の基本計画策定作業が進んでいます。
共生社会とは、認知症があってもなくても尊厳と希望を持ってともに生きることができる社会、この基本理念が国や自治体、国民に浸透し、施策に反映されることが期待されています。
一方、近年の認知症の発症や進行の仕組みの解明や予防法・診断法・治療法等の研究開発の発展はめざましく、重症化予防や発症を遅らせるために運動不足の改善、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消や役割の保持等が大きな効果を上げることも解明され、70歳代での発症を10年間で1歳遅らせることをめざすことも打ち出されています。認知症有病率低下という明るく、かつ画期的なデータが出始めたことも本特集で紹介されています。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会 編
- 出版年月
- 2024年9月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9062-6
- 販売価格
- 741+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
わかりやすい認知症の医学 鳥羽研二
認知症施策のこれまでとこれから ~認知症になっても、本人も家族も自分らしく生きられる社会をめざして~ 鈴木森夫
日々の暮らしから始まる意思決定支援 志寒浩二
デンマークにおける認知症ケアの国家戦略とその推進 野口典子
多民族国家カナダにおける認知症介護の現状 二木 泉