ゆたかなくらし2024年8月号
これでいいのか~能登半島地震被災高齢者・市民への支援
震災から半年が経過した能登は「あまりにも静かすぎる」状況で、被災者は「能登は完全に見捨てられている」と語っています。
高齢者が多数を占める仮設住宅内は住民同士の交流も相談先もなく、震災関連死、孤独死も増加しています。
今回の能登地震では、能登へ支援に飛んだ人たちが交通渋滞を助長すると非難され、「行かないことが支援」という言葉まで飛び出しました。その結果、ボランティアは震災発生後の1か月間で阪神淡路大震災では62万人、今回の能登半島地震では登録ボランティアが約2,600人にすぎなかったといいます。
国や県の関係者からは復興プラン策定作業のなかで、過疎高齢化した被災地に財源投入は無駄と言わんばかりの意見すら散見されます。
被災民に「自立」を求め、きわめて不十分な公的支援しかしないなかで、一部損壊の住民すら住み慣れた場所で生活再建できるかメドが立たない状況に置かれています。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会 編
- 出版年月
- 2024年8月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9061-9
- 販売価格
- 741円+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
いのちと暮らしからの復興:被災者の「住み続ける」を保障する 田中純一
被災地の人たちを支えるもの ~トルコ、能登の被災地から~ 吉椿雅道
阪神淡路大震災などの教訓はどうなっているのか? ~能登半島地震・現地ボランティア活動報告~ 豊田幸博
石川県復興プラン案の検討「住み続ける権利」の保障の視点から 小野栄子
被災者支援の出口戦略 ―アウトリーチ型士業派遣と伴走型支援の重要性について― 江﨑太郎