ゆたかなくらし2024年2月号
限界に近づく家族介護の実態を問う
1994年12月、厚生省(当時)の高齢者介護・自立支援システム研究会は「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」で介護保険制度の骨格を提起、「今日の高齢者介護は、家族が全てを担えるような水準を超えており」「家族のみの介護には限界がある」「家族による介護に過度に依存し、家族が過重な負担を負うようなことがあってはならない。在宅ケアにおける家族の最大の役割は、高齢者を精神的に支えること」「家族が心身ともに介護に疲れ果て、高齢者にとってそれが精神的な負担となるような状況では、在宅ケアを成り立たせることは困難」などと「社会的介護」制度化をめざすかのような期待を国民に抱かせました。
それから30年。いまや要介護者等がいる高齢者世帯は6割以上となり、世帯人員が少なく、家庭内での介護力が脆弱ななかで家族介護が行われ、老老介護、“認認介護”が一般化、年10万人の介護離職者数は変わらない状況です。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会 編
- 出版年月
- 2024年2月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9055-8
- 販売価格
- 741円+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
誰がケアするのか(上) ―高齢者ケアへの視点と課題― 佐藤嘉夫
家族介護者の課題(上) 永野淳子
ホームヘルパーから見た家族・親族 小川栄二
手記 夫の両親の介護と認知症の相談活動を経験して 原田眞美
やってみた!Uターンによる介護休業 ~母と私の半年間~ 望月小夜