ゆたかなくらし2023年3月号

おひとりさまになっても安心して過ごせる身元保証の仕組みを
わが国では、身元保証は家族・親族や住民の助け合いで問題を解決してた歴史があります。
しかし、高齢化、核家族化、単身化が進むにつれ、入院・入所にあたり、身元保証人を用意できない高齢者が増加し、新たなビジネスとして身元保証事業者が増加しています。
身元保証人がいないと受け入れない病院・施設が少なくないためです。身元保証事業者に①連帯保証、②医療決定、③金銭管理、④死後対応の4つを担わせることで、病院や施設の負担や責任を軽減するためです。
しかし、現状では身元保証事業者を許認可、指導する監督官庁もありません。
そもそも医療・福祉分野で身元保証は必要でしょうか? 身心の自由が利かなくなったとき、個人を支援するのは、社会保障・社会福祉の役割であり、ビジネスに依存するべきではありません。
身寄りのないことを前提とし、おひとりさまになってもだれもが安心してすごせる仕組みを構築することを考えましょう。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会
- 出版年月
- 2023年3月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9044-2
- 販売価格
- 741円+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
身寄りのない高齢者の身元保証問題の現状について 新井康友
医療機関における高齢者の身元保証問題を考える―「本人の意思とはなにか」を手がかりに― 田中武士
施設からみた高齢者の身元保証問題 下澤耕平
行政からみた高齢者の身元保証問題 矢田和雄
生協法人が取り組む死後事務手続きの受任 福島広志
地域包括支援センターからみた高齢者の身元保証問題~住みなれた地域で自分らしく暮らすために~ 吉川美和子