ゆたかなくらし2022年11月号
高齢期の死活を制する年金制度
政府は制度を複雑かつ難解な仕組みにつくり上げたうえで、すべての国民の学生時代から就労の数十年間にわたり保険料を強制徴収、その巨額な年金積立金を勝手に大企業に融資、株価操作に運用しています。
一方で、政府は「高齢者が年金財源を食い潰す」と世代間対立を煽り、「マクロ経済スライド」「新年金改定ルール」など賃金や物価の変動がどうあろうと年金を引き下げる奇妙なルールをつくり年金受給者を翻弄しています。
今年の敬老の日、高齢就業者数は18年連続で増加、909万人と過去最多となり、65~69歳就業率は初めて50%超えたと発表されました。
医療も介護も高額な自己負担が課され、最低生活さえ維持できない年金額のもと、老いてもなお、不安定就労につかざるを得ない事態が急速に進行しています。これはこのままではいまの若者に待つ未来でもあります。
いまこそ“老いも若きも” 一致して、にんげんとして生きられる年金制度をめざして声を出していくことが求められているのではないでしょうか。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会 編
- 出版年月
- 2022年11月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9040-4
- 販売価格
- 741円+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
日本の年金制度、その現状をどうするか 石田一紀
最低保障年金制度実現への提言(上)
貧困に苦しむ日本の年金受給者 ~いま何が問題か~ 本誌編集部
[資料] 年金引き下げ違憲訴訟原告の証言 本誌編集部
[資料解説] わが国では老いることは貧しくなること 本誌編集部