ゆたかなくらし2021年12月号

科学的介護(LIFE)はほんとうに科学的か~第8期の介護保険制度改定を検証する~
制度創設以来、介護レベル低下と歩調を合わせるかのように制度の複雑怪奇化、難解化を年々増幅させてきた介護保険制度。第8期改定では、これまでの現場の介護が「非科学的」で「エビデンスがなかった」といわんばかりに、事業者の面前に各種加算をちらつかせながら“鳴り物入り”で科学的介護(LIFE)推進を打ち出しました。しかし、職員にとって悲願でもある待遇改善の方向はこの構想には皆無であるばかりか、その背後では早くも「テクノロジー」の活用で「生産性」を向上させ、「合理化」して、人員配置基準・運営基準を引き下げる構想が提起されています。
いま、介護現場ではビッグデータの蓄積のため介護現場に膨大なIT入力作業を強いられながらも、本格稼働後には「人減らしが待っているのでは」「そのうちシステム停止になるのでは」との疑念もぬぐい切れないでいます。
- 著者
- 全国老人福祉問題研究会 編
- 出版年月
- 2021年12月1日
- ISBN
- 978-4-7888-9029-9
- 販売価格
- 741円+税
- サイズ
- B5
- 製本
- 並製
- 頁数
- 64ページ
- 備考
著者紹介
●変質する制度と求められる福祉 鈴木恂子
●第8期介護保険制度・介護報酬改定は現場に何をもたらしたか
~改定の実情・現場からの問題提起~ 小林浩司
~勘ピューターでLIFEを切る~ 須田英男
●介護保険制度改善を求める広島市民の取り組み 大畠順一
●地域で老問研活動をするということ 新井幸恵
●資料「介護政策の抜本的転換を求める7団体の要求・要望」